HOME   >>  スポンサー広告  >>  スポンサーサイトキャーズム・コユンジュ  >>  そして、私たちは愛に帰る(1)
-- --
--

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
02 01
2009

キャーズム・コユンジュ

そして、私たちは愛に帰る(1)

見ました。
書きたいことは山ほどありますので、何回かにわけます。

とりあえずキャーズム・コユンジュ関連で。

Ben Seni Sevduğumiという曲の存在感は、予想していた以上に大きかったです。
とくに間奏部分が強調して使われ、強く印象に残ると思います。

ここで使われているのは、ケメンチェ(ケマンチェ)という、バイオリンのご先祖様みたいな楽器です。フィドルだと思った人も多いかもしれません。

どんな楽器かというと、こんな楽器です。

ケメンチェはほかの地方にも(トルコ以外にも)ありますが、これは「黒海のケメンチェ」と呼ばれる独特のもので、トルコ古典音楽などで使われるものとは違います。黒海地方の民族音楽には欠かせないものであり、逆に言えば、「黒海のケメンチェ」の音色は黒海の象徴だともいえます。たとえば車が走っている映像にケメンチェの音色が重ねられていたら、その車は今黒海沿岸を走っているのだと了解される、といったぐあいに。三線と指笛がきこえれば、日本人ならだれしも「沖縄」を思い浮かべるのと同じようなもん、と思っていいでしょう。

しかるに、ですね。

(以下、火ぃ吹いてますんで




★★★★★

「そして、私たちは愛に帰る」パンフレットより引用。

  そんな中、劇中に繰り返し黒海地方のプロテスト・シンガー、
  キャーズム・コユンジュが歌う「Ben Seni(オレはお前を)」
  がやはり心に残る。2002年にトルコのテレビドラマで用いられ、
  大ヒットしたこの歌、三味線に似た弦楽器サズの音色
  中央アジアに起源を持つ哀愁の旋律が、アジアの東の果て
  である日本の演歌とも通じ、我々は歌詞がわからなくても
  どこかで共感出来る。


なんだとーーーーーー(怒)



念のために書いておきますが、Ben Seni Sevduğumiにサズは一切使用されていません。というか、黒海地方の音楽ではあんまりサズは使わない、と思う。

サズとケメンチェを聞き分けられない人が音楽の解説をするのって、相当ヤバイとおもうんですけど、おそらくはそうではなく、ろくに聴かずにステレオタイプ的先入観でもってテキトーに書いた結果なのでしょう。「東西文明が交差する魅惑の町イスタンブール」みたいなのと同じで、ほんとはよくわかんないけどそう書いておけばなんか立派な説明をした/されたような気になる便利なフレーズをちりばめて一丁あがり、てなぐあいです。

しかしこれは、単なる楽器の間違い、という以上に罪が重い。

繰り返しますが、ケメンチェの音色は黒海地方の象徴ともいえるものです。

キャーズム・コユンジュに必ず「黒海地方の」という枕詞がつくのはダテではありません。この場合、「黒海地方」というのは単なる空間的位置を示すコトバではないのです。黒海地方、とくに東のほうは、気候・風土・言語・文化のあらゆる面で際だった特徴を持っています。ちょっと乱暴なたとえではあるけれども、それは「日本」からみた「沖縄」と同じくらい違うもの。そう考えれば、この曲を、サズに象徴される「典型的トルコ民族音楽」として解説してしまうことがいかにマズイかということがわかると思います。
でもって、そうした黒海地域の異質性から考えれば、中央アジアに起源云々というのもハズレだと思うけど、その点については、また改めて。

Fatih Akınが今回の映画でキャーズム・コユンジュの歌を採用し、主人公のルーツを黒海地域の代表的都市であるトラブゾンに設定したのも、もしかしたら『クロッシング・ザ・ブリッジ』でとりあげきれなかった黒海の音楽を、ここでたっぷり使っちゃおう、という意図もあったのかもしれない。ひょっとしたら監督本人も黒海がルーツなのかなあ、とも思ったけど、それは今んとこ不明。

いずれにせよ、Ben Seni Sevduğumiという「黒海地方の」歌を使っていることにはちゃんと意味があるのです。それをスッキリ台無しにしてくれる、じつにありがたい解説であります
スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form









管理者にだけ表示を許可する






全記事表示リンク
プロフィール

e子

Author:e子
九州産北海道民


Page Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。